腹圧性尿失禁
咳やくしゃみ、散歩や運動するときにお腹に力が入ると尿が漏れてしまうタイプです。尿失禁の60%以上が、この腹圧性といわれています。
原因
女性に多いのは出産や加齢が原因で骨盤内の筋肉がゆるんでいくことが挙げられますが、そのほかにも女性の尿道が短いことも影響していると考えられています。
治療
治療としては、中部尿道スリング手術には「TVT手術」と「TOT手術」と「ミニスリング手術」があり、日本は「TVT手術」と「TOT手術」が行われています。
切迫性尿失禁
急な尿意に襲われて、すぐにトイレに行かないとこらえきれずに尿が漏れてしまうタイプ。男性より女性に多く見られます。
原因
尿意を感知するセンサーが膀胱には2つあり、ひとつは膀胱内に尿が充満したと感知する圧センサーもうひとつは尿の濃度が高くなると感知する化学センサ-切迫性尿失禁の患者さんは、このセンサーが非常に過敏になり、尿意を感知すると膀胱がすぐに収縮してしまうために漏れてしまいます。
治療
治療法は飲水をコントロールするなどの生活改善、尿意を定期的に我慢するといった膀胱訓練などが行われます。抗コリン薬などの薬物療法が有効です。
溢流性尿失禁
風呂にお湯が溜まるとちょろちょろと絶えずあふれる状態を想像してください。 男性では前立腺肥大症によるものが一般的です。 ほかに脳・脊髄疾患の患者さんでは膀胱を支配する神経が切れて排尿の機能が失われた場合です。
骨盤臓器脱
骨盤内臓器脱(こつばんないぞうきだつ)は膣から骨盤臓器が脱出してくる病気のこと。出産経験のある高齢の女性に比較的多く、出産経験のない女性にはほとんどみられません。それぞれの脱出を膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤とよんでいます。それぞれ単独で脱出することもあれば、多くの場合2つまたは3つすべての臓器が脱出してきます。一番多いのが膀胱瘤です。
原因
もっとも最大の要因は出産です。 出産で損傷した骨盤底の筋膜やじん帯が、加齢とともにゆるみが大きくなり臓器をささえきれなくなって、骨盤内臓器脱はおこります 。 また、腹圧とも関係があるので 便秘による排便のいきみ、ぜんそくなどの慢性の咳重いモノを常に持つ仕事肥満 なども要因になります。出産と加齢、さらに強い腹圧により 骨盤を支える組織が弱くなることで、骨盤内臓器脱はおこります。
治療
原則、手術です。メッシュを用いた手術がほぼ標準手術となっています。 初期の段階の方や、持病などで手術が受けられない方には骨盤底筋体操をおススメしています。 強い腹圧で症状を悪化させないために、便秘ぜんそくなどの慢性の咳を改善する治療や生活の見直しをしています。