在宅透析

在宅透析センター

  • そろそろ透析が必要ですよ、と言われた
  • もっと詳しく説明を聞きたい
  • 別の意見も聞いてみたい
  • いまの透析が辛くてたまらない
  • 在宅でも透析ができると聞いたが・・・

など、経験豊富な医師・看護師がお返事いたします。お気軽にお問い合わせください。

在宅透析

腎代替療法

腎代替療法には大きく分けて腎臓移植と人工透析の2つがあります。医療技術の進歩によって腎臓移植は予後の良い治療法として確立していますが、日本では十分なドナー(腎提供者)の数が確保できておらず、現在、献腎移植の平均待機期間は15~17年と長期間待たなければならない状態です。

人工透析は20世紀に人類が手に入れることのできた最高の医療技術のひとつです。透析治療には血液透析と腹膜透析の2種類があり、生存率など治療成績はほぼ同等です。簡単にその違いをまとめたのが下の表になります。

腹膜透析は通院回数が少ない(月1回程度)ため自由な時間が確保しやすく、旅行も自分のスケジュールで簡単に行けます。通院回数が少ないので、新型コロナウィルスのような感染症リスクも低いです。透析による倦怠感や血圧低下もありません。食事ではカリウム制限が必要ない場合が多く、生野菜やフルーツが食べることができます。血液透析と異なり針を刺す必要もないので、穿刺の痛みから開放されます。デメリットとしては腹膜炎などがありますが、技術進歩によって近年はあまり心配しなくても良くなっています。

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透析方法 腹膜透析 血液透析
APD CAPD
治療場所 自宅など 医療機関
治療者 本人・家族 医療スタッフ
通院回数 月1〜2回 週3回程度
治療時間 1回8〜10時間
(就寝中)
1回約30分
(1日数回)
1回約4時間
導入準備 カテーテルを埋め込む手術 シャントを作る手術
食事制限 塩・水・リン 塩・水・カリウム・リン・たんぱく質

NPO法人腎臓サポート協会 腎臓病なんでもサイト「二つの透析の比較」より抜粋

高齢化社会と透析

近年、日本では高齢化社会の到来に伴い、透析患者さんの高齢化に伴う様々な医学的・社会的課題が問題になっています。

血液透析に必要な内シャントによる過剰血流には、認知症や心不全のリスクがあることがわかっています。元気なるはずで血液透析を始めたのにかえって弱ってしまうこともしばしばあるのです。2009年に臨床医学雑誌の最高峰であるアメリカの『The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』誌で、高齢者は血液透析導入期を境にADLが低下するとの論文が発表されています。それによれば、血液透析を導入した高齢者の場合、1年後にADL(生活の質)を維持できた患者はわずか13%と報告されています。通院困難になると、多くは社会的入院が必要となり、人生の終末期の貴重な時間を病院で過ごさざるを得なくなります。

そのような中、注目されているのが在宅透析・腹膜透析になります。

在宅透析

在宅透析・腹膜透析

腹膜透析は在宅での遠隔治療が可能であり、通院も月1回程度、カリウム制限が不要で食事制限も少なく、血液透析に比べて患者さんの自由度はかなり高くなります。加えて高齢者の認知症や心不全のリスクも低いことがわかっています。そのため諸外国では腹膜透析の普及が進んでおり、先進国では約20%にまで腹膜透析の普及率が伸びています。いっぽう、日本での普及率はわずか3%程度にとどまっており、その原因として、医療者側の不勉強や患者さんへの情報提供が不足しているためと言われています。

当院では在宅透析である腹膜透析に積極的に取り組んでいます。ご自身やご家族が腹膜透析の操作に自信がない場合でも、訪問看護を利用することで可能になります。通院困難な場合にはご自宅に訪問診療にお伺いすることもできます。

血液透析を永らく頑張って来られてきたが、体力が低下してきて通院が困難になった場合も腹膜透析へ切り替え、在宅生活を継続することが可能です。その他、心機能低下(心不全)や内シャント閉塞、穿刺恐怖症、難治性腹水、認知症・精神病などでも腹膜透析へ変更するメリットがあります。まずは、ご相談ください。

私たちは、安心してご自宅や施設で腹膜透析治療が受けられるよう、腹膜透析地域連携に取り組んでいます。SNSや遠隔治療モニタリングなどのIoT技術を駆使し、在宅や施設の患者さんが安心して治療を継続できるよう、最先端の連携システムを構築しています。

 鹿児島県内連携施設 

0 57

 訪問看護ステーション 

0 55

在宅透析・腹膜透析

担当医師・看護師

担当医 松本秀一朗

経歴

平成9年

北海道大学医学部卒業 北海道大学第一外科(一般外科・移植外科)入局

平成18年

不凍タンパクを用いた臓器保存の研究により医学博士(北海道大学大学院臓器不全外科学分野)
同年よりミネソタ大学移植外科膵島移植チームに所属、膵島分離法や異種移植の研究に従事

平成21年

宇和島徳洲会病院、万波誠医師に師事し、腎移植・泌尿器外科手術を多数経験

平成24年

鹿児島徳洲会病院に勤務、腎移植・腹膜透析・アクセス外科など腎不全外科プログラム開始

令和3年4月

川原腎・泌尿器科クリニック勤務開始


受賞歴

  • 平成18年
    NFkβ阻害による移植免疫の研究 アメリカ移植学会Young Investigator賞
  • 平成18年
    胎盤由来インシュリン分泌細胞の細胞移植に関する研究 人工臓器学会賞
  • 令和4年
    腹膜透析による在宅看取りとSNSによるグリーフケアサイコネフロロジー学会野原記念賞

担当看護師 益満美香

資格

  • 腎代替療法専門指導士
  • 慢性腎臓病療養指導看護師
  • フットケア指導士
  • CAPD認定指導看護師

受賞歴

  • 第22回日本腹膜透析医学会学術集会・総会(札幌)優秀演題賞

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